掲載記事

当社が掲載された記事をご紹介します。

経理代行”税理士と連携”の時代へ バックオフィス 決算・給与業務を委託 専用ソフト無償で配布

税理士新聞 2000年3月25日号

経理や給与計算代行サービスの低価格化が急速に進んでいる。

こうしたなか、インターネットを活用してコスト削減を行いながら、税理士社会保険労務士とタッグを組んでサービスの充実を図るアウトソーシング会社が出てきた。経理・給与計算ソフトを無償で配布し、専門家による決算処理なども安価に提供。スタッフ部門の経費節約が切実な問題となっている中小企業やSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)から注目されている。

中小企業やSOHOを対象に経理・給与計算業務などのアウトソーシングサービスを行っている(株)バックオフィス(東京)はこのほど、同社のサービス専用ソフト「前代未聞シリーズ」の無償配布を開始し、事業拡充に乗り出した。

同社では、インターネットを通じて、経理・給与計算を処理するシステムを開発。

このシステムを利用し、経理代行は毎月1万円、給与計算代行は同5千円でそれぞれアウトソーシングサービスを提供している。

サービスの仕組みは、まずユーザー企業が無償配布された「前代未聞シリーズ」に伝票データを入力、インターネットで同社側のサーバーに送信する。送られたデータを税理士や社会保険労務士ら同社と連携している専門家が処理し、各種の集計表や給与明細、請求書などを利用企業もしくは経理担当者へ返信する。元帳や試算表など、ユーザーが希望した集計表が随時取り出し可能で、印刷やデータ処理も楽に行える。

低価格であることやインターネットサービスを利用することによるスピーディーな処理や対応がサービスのウリ。「入力に関しては会計や税金、社会保険の知識は必要なく、パソコン初心者でも簡単に行えるようになっている。さらに、セキュリティー面を万全にするため、伝票データを暗号化してやりとりしている。」(小杉和久副社長)。

このソフトは、量販店に陳列されるほか、同社のホームページ(http://www.back-office.co.jp/)などで送付を受け付けており、サービスについても1ヶ月間無料で体験できる。

また、税理士や社会保険労務士といった専門家から気軽にサービスを受けられるのも大きな特徴だ。たとえば、決算処理に関しては、「前代未聞」サービスのユーザー企業であれば、8~12万円程度で同社と連携している税理士らが請け負う。 

この場合、インターネット上ではなく、税理士がユーザー企業を訪れて綿密な打ち合わせを行っている。「決算書に税理士の押印があるのとないのでは信用度が違う。税理士との連携はユーザー企業からもかならい評判がよい」(同氏)。

連携している税理士は現在10人ほどだが、同社では事業の拡充を進めるうえで、「なるべく多くの税理士と連携して全国にネットワークを広げたい」としている。

税理士側にとっても営業することなしに業務報酬を得られるわけで、決算処理などをきっかけに顧問契約につながる可能性もある。

同社のユーザー企業は立ち上げ間もないベンチャー企業やSOHOも多いため、会社経営に関わる悩みを専門家に相談したいという経営者もいるという。

記帳代行業務をはじめとしたアウトソーシング分野では過当競争による価格破壊が進んでいるといわれ、”割を食っている”会計事務所も少なくない。こうしたなかで、アウトソーシング会社などと連携する動きは話題となりそうだ。
Copyright(c) 2000-2024 Back Office Inc. All Rights Reserved.