経営方針

株式会社バックオフィス
代表取締役 小杉和久

現在の会計業界は非常に古い体質を引きずっています。ある程度の顧客数を抱えた会計事務所は、税理士本人の目が行き届かなくなっており、処理をスタッフに任せっきりにします。そのスタッフたちの平均勤続年数は2年と言われています。すると、顧問料は上がっていくのに、サービスの質はスタッフ次第で、2年前と今年の処理方法が同じである保証はどこにもありません。それは、会計を「職人芸」のままにしておいた業界の構造に原因があるのです。

当社は、 こうした構造を打破しようとして、会計処理を、「工場型大量生産」にすることに成功しました。コンサルタントとオペレーションスタッフの分業制を取り、オペレーションスタッフが会計ソフトへの入力を担当し、コンサルタントがその指示・チェックやお客様との質疑応答等を担当しています。品質を安定させるため、「業務処理マニュアル」を用意して全員のオペレーションを統一し、どのスタッフでも全く同じ処理手順、同じ判断基準で作業するため、同じ結果が出せるようにしてあり、担当者が変わってもお客様の会計処理に影響が出ることはありません。

マニュアルは詳細にわたり、仕訳の判断基準はもとより、机上の資料配置からパソコンのキータッチ、領収証の貼り付け方法、使用するクリアフォルダの色、資料ファイリング時の並べ順まで、こと細かにルールと手順を決めてあります。このマニュアルは正確性・スピード・わかりやすさを基準にして作られた、当社の過去の経験と知恵の結集です。また、不明点はすべて質問シートに書き出してお客様に質問し、不明点をすべて解明してから月次試算表を納品しています。

さらに、お客様ごとの独特な処理方法については、一社一社に「処理要項」を作り、標準的な処理ではできない部分を補足してあります。オペレーションスタッフは、業務処理マニュアルを会得した上で、処理要項に応じて例外処理をしています。そしてコンサルタントは、お客様の要望をよく聞いて相談にのり、最適な業務処理方法を提案するだけでなく、データ入力という単純作業から解放された分の時間で、各種の経営相談など、会社経営のきめ細かいお手伝いをさせていただいています。

当社も最初はコストを惜しんで低賃金のスタッフに仕事を任せ、チェックをおろそかにして品質の上がらない時期がありました。そこから試行錯誤してたどり着いたのが現在の方式です。こうした分業により、低コストでの大量生産と顧客への手厚いサポートが可能になりました。社内は整然として、以前よりずっと短時間で業務処理ができるようになっています。そうすると、お客様と話をする時間がもっと増えるのです。

こうした管理方法を導入していて感じたのは、まるで100年前のアメリカ自動車業界を見ているようです。フォードが自動車の大量生産を開始したのが1908年です。ベルトコンベアーを導入した流れ作業を開始して17年後には、自動車の価格は約4分の1にまで下がりました。職人にしか作れなかった自動車が分業によって低コストで大量生産することが可能になり、大量の自動車が世界中に普及していったのです。

当社が目指している方向性は、まさにこれと同じです。つい最近、見やすさに重点を置いた、マニュアルの大改訂を行いました。また、振込支援サービスなど、新しいサービスも試験的に運用中です。お客様には、ぜひ一度、当社のサービスを体験していただきたいと思っております。

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