2007年9月10日
経営資源が豊富な成熟した大企業が多角化するのは当たり前ですが、経営基盤が弱い中小企業の多角化は危険と隣り合わせです。本業で使うべき大事な経営資源を食いつぶしてしまうことが多いからです。
また、起業前、あるいは事業立ち上げ期の多角化の発想はもっと危険です。「これがうまくいったら次はこう広げて」という構想だけなら良いのですが、一つの事業をまだ黒字化できない段階で、赤字のプレッシャーに耐えきれずに複数の事業に固定費負担を分散させようとする人をときどき見かけます。
これは「多角化」ではなく「何でも屋」です。
こういうやり方は、結局、どっちつかずで両方とも失敗に終わってしまうことが多いので、やるならば、いまやっている赤字の事業を捨てて違う事業を始めるための検討くらいのつもりでやると良いでしょう。うまくできそうならば事業転換、ダメそうならさっさと新しい方を止めて元に戻すということです。
何でも屋になってしまうと、自分の体も二つないとうまくいきません。