経理用語集
囚人のジレンマ
読み: しゅうじんのじれんま
略語/英文: Prisoners' Dilemma
ゲーム理論の典型的な例示の一つで、2人の囚人が行う駆け引きとその帰結を示していて、個々人では最適な選択が全体としの最適な選択とはなりえない状況を示す例示である。「前提」 1. 同一の事件で逮捕された二人の被疑者が別々の牢獄に捕らえられており、お互い意思疎通は図れない。 2. 検察は2人の被疑者に「自白すれば司法取引により釈放する。ただし、もう一人も自白した場合には懲役3年にする」と条件を提示する。 3. 2人がそのまま黙秘していれば、有罪だが証拠不十分で懲役1年となる 4. 片方が自白して、もう一人が黙秘した場合には、黙秘した者だけが懲役5年となる模様である。この前提では、自白すれば釈放もしくは懲役3年であるが、黙秘すれば最低懲役1年、悪くて懲役5年となるため、自白が双方にとって最適の選択となるため、両方懲役3年となる。しかし、お互いに黙秘していれば2人は懲役1年で済む。このことから、2人(全体)としては黙秘することが最良であるが、個人としては自白したほうが望ましいので、その選択にジレンマが生まれるという例示。このとき個人に最良の選択をした結果として得られる帰結を「ナッシュ均衡」という(この場合では「双方自白」である)。また、他者の効用を犠牲にすることなく、自分の効用を高めることができないパレート最適な帰結は「双方自白」以外の選択による帰結である。
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