企業実務 2001年2月号
インターネットや携帯電話と、世はまさにIT一色。その流れのなか、中小企業であっても、経営情報の収集・分析・経営への反映が連携できる戦略的なシステムの導入が必須となってきました。
しかしながら、高度なシステムは高価であり、維持管理のための人的リソースも、バカになりません。それだけの体力のない中小企業では、導入コストも、使いこなす人的リソースも、なかなか確保できないのが現状でしょう。
そこで、一社でシステムを導入するのではなく、複数の会社で同じシステムを共有することで、導入コスト、メンテナンスコストの削減を図ろうと考えられたのが、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)です。
▼アプリケーションを外部で管理
ASPとは、ネットワークを介して、アプリケーションソフトの機能を提供するサービス事業者、また、サービスそのものを指します。要するにインターネットを利用して社外のサーバーにアクセスし、そのアプリケーションの機能を利用しようという仕組みです。
利用できるアプリケーションは様々ですが、業務系のソフトではグループウェア、会計処理、給与計算、営業支援と、一通りのものが揃います。
ASPのサービスを利用するときは、まずインターネットに接続してウェブブラウザを起動し、ASPサービスを提供している業者のウェブサイトに接続してます。ここで、利用の申し込み時に発行されたユーザーIDとパスワードを入力し、利用の認証を得ます(次ページ画面)。あとは、画面のメニューに従って作業を行なっていけば、そのまま作業を進めることができます。
ASPといっても、ユーザーにとっては、ウェブブラウザ内ですべての作業を行なうこと以外、通常のアプリケーションの利用と何ら変わりはないのです。
では、ASPと従来のアプリケーションソフトは、何が違うのでしょうか。それはアプリケーションと、そのアプリケーションを利用してつくったデータをどこで管理しているのかということです。
通常のアプリケーションソフトの場合、アプリケーション自体もデータも、そのソフトがインストールされているパソコンで処理されています。クライアント&サーバー型のシステムを組んでいるところでは、サーバー内で管理されている場合もありますが、社内のコンピュータに保存されていることには変わりはありません。
ところが、ASPの場合は、アプリケーションもデータも、すべて、ASP提供業者のデータセンターで管理することになります。
ユーザーがウェブブラウザを通じて、データセンターに接続すると、データセンターから、目的のアプリケ―ションがユーザーの手元のパソコンに送られ、ウェブブラウザ上で起動します。ユーザーがアプリケーションに入力した情報は、インターネットを通じてデータセンターのサーバー内に保存されます。保存されたデータは、インターネットとウェブブラウザを通じて、どのパソコンからでも呼び出すことが出来ます。
▼ASPを提供する事業者の例
・経理
・(株)バックオフィス
・会計、給与計算、販売管理。会計データを入力し、決算書・給与明細などの集計表をリクエストすれば、目的のものが電子メールで送られてくる http://www.back-office.co.jp/
(以下省略)