日経ベンチャー 2002年3月号
しかし、こうしたソフトを使いこなすには、想像以上に高度なスキルが必要になる。
そんな中で、ASP(業務用ソフトのネット上での時間貸し)業者の提供するサービスを活用して、安く手軽に業務の効率アップを果たす企業も登場している。
この1年間ほどでASPサービスの種類は急速に増えている。会計業務全般に使えるソフトを貸し出すサービスもある。最大の特徴は、ソフトを購入するより業務用ソフトを安く利用できる点だ。インターネットに接続しているパソコンがあれば、特別に新しい機械を購入する必要もない。
もちろん、市販のパソコンソフトの中にも、低価格の商品はある。しかし、使いこなすためには、勘定科目の種類など経理の専門知識が必要になる。その点ASPの中には、データの確認から入力までを代行してくれるサービスもあるので、極端な場合、アルバイトのスタッフに入力を任せても大丈夫だ。
ASPを導入する時に、まずチェックしなければならないのは費用だが、そのほかにも気をつけるべき点は多い。特に、サポートなどの付加サービスについては、どのようなものが用意されているかを契約前に確認しておくことが必要だ。
例えば、サポート窓口を設けていない会社はまずないが、メールのみの問い合わせで、電話では受け付けないという業者が少なくない。電話の窓口があっても回線数が少ないケースもある。また、万が一データが破損した場合の補償があるのかどうかも確認したほうがいい。
中には、一ヵ月無料で利用できる試用期間を設けていたり、導入した場合の見積もりをホームページ上で簡単に出せるようにしている業者もある。まずはそうしたサービスを活用して実際に試してみて、自社でどのように使ったら有効かを考えるのが第一歩といえる。
中小企業向けのASPサービスの例
サービス名:前代未聞サービス
提供企業:株式会社バックオフィス
URL:http://www.back-office.co.jp/
概要:伝票データを専門ソフト(無料配布)に入力・送信すると経理・給与計算業務を代行。
データチェックも実施。月額1万2000円から。