ソフト人脈 2003年6月10日号
ASPによる経理・給与計算などのアウトソーシングで従業員8名のバックオフィス(東京中央区)が、中小企業、SOHO向けのサービスを強化している。
「そもそも、ASPで儲けるつもりではない。サーバを預かることで業務を請け負うことができるというのが狙い」と、小杉和久社長(30歳)は言う。
かといって、司法事務所・会計事務所を運営しているわけでもない。「会計業界とは50年遅れている。例えば自動車を作るのは、ベルトコンベアーが出来て大量生産を可能にした。しかし、会計は、職人のモチベーションに固執している」という疑問を持つため、あくまでもサービスを提供する企業を続けている。保険や登記などの業務は、税理士、公認会計士など100名程度のパートナーに発注する形だ。
小杉社長は社内の徹底したマニュアル化を実施した。顧客ごとにフォルダを用意し、その中に赤・青・黄色のファイルを入れる。マニュアルに従い、作業前、作業終了、分からない点があるため進めていないもの、というように分類して保存しておく。そうすれば、アルバイトでも十分対応できる。正社員は営業、コンサルティングなどを行い、3ヵ月かけてマニュアルを作成している。
同社は設立以来2期連続黒字決算で終わらせた。小杉社長自身、勤務先の倒産という憂き目にあっているだけに経営は手堅い。それでも夢は大きく、「1万社の顧客を得る」ことを目指している。